2024.10.16
マリナ・ナリサさん 023
この世界の中で
必ず生きていける
お母さんの体に、道を作ったあなたへ。とつき育った住処から、この世界へと通じる道を作ったあなたへ、伝えたいことがあります。
道を拓くその力強さといったら、道を拓くその忍耐強さといったら。あなたが必死に道を進むなか、こちらのほうがくじけてしまいそうなほどでした。それはもうまるで、わたしの体であって、わたしの体ではないかのように、命の大きさに打ちのめされるような感覚です。わたしはただの通り道になったような気がしました。
あなたが生まれてきてから、一気に春めきました。水で溶いたようなやさしい空色に、ぽかぽか陽気。あなたの肌着が気持ちよさそうに、ゆらゆら風とダンスをしたり、真っ白な布おむつがまぶしそうに、きらきら陽の光を反射したりしている。この世界があなたを温かく迎えてくれている、と朗らかな気持ちになりました。あなたを呼ぶ風、あなたを呼ぶ陽射し、あなたを迎えてくれたこの世界のすべてが、母になった私の目には、美しく映りました。
あなたが伸びをした時の声や、うっとりとした寝息に、誘われるみたいにじいんとして、それで、それに呼応するかのようにあなたが起きて、吸い始めると、おっぱいの底から湧いてくるような愛おしさ、おなかの底から込みあげるような愛おしさでお母さんは包まれるのです。呼応するようなとき、やっぱりひとつだったんだなと感じます。あなたがおなかが空いたよと泣きだすのと、お母さんのおっぱいがじいんとするのがおなじときに。また、抱っこしているときも。抱っこしていると、どっちが抱っこをして、どっちが抱っこをされているのか、わからなくなるようなときに。あなたはとつきもわたしのおなかの中で過ごしたのだもの。抱っこしていると、おなかの中に戻ったような、お母さんの足りない部分が埋められていくような、まあるくなっていく感じがします。
もちろん、可愛いだけではなくて、赤ちゃんのお世話は、今が昼か夜かの区別もつかないほどに大変だったのは確かなのだけれどね。
ただあなたに、これだけは覚えていてほしい。お母さんにとってあなたは、たまらなく愛おしくて、かけがえのない存在だということを。いつでもあなたを抱きしめてきたし、これからもいつでも抱きしめてほしいときには抱きしめてあげることを。あなたが生まれるとき、天からの授かりものだということを、まさに体いっぱい実感したことを。あなたが生まれたとき、この世界がどんなに輝いて見えたかということを。あなたが育っていくなかで、この世界が平和でありますように、みんなが幸せでありますようにと願いたくなるほど、あなたのことを大切に思っていることを。いつでも笑っていてほしいと思っていることを。
そして、信じてほしい。道を切り拓いて生まれてきたあなただから、これからも力強く、忍耐強く、道を切り拓いて生きていけることを。自分自身のことを。あなたは、どんなに悲しいことがあっても乗り切れる力強さを、生まれながらに持っているし、どんなに辛いことがあっても乗り越えられる忍耐強さを、生まれながらに、持っていることを。必ず、生きていけることを。
好きなことは好きと叫んでいいし、嫌なことは嫌だときっぱりと否定していい。あなたの素敵なところはたっぷり自信を持っていいし、あなたの自分でいまいちだと思うところも、だからといって自分で自分を嫌いにならないでやさしく認めてあげてほしい。自分の心の声をよく聞いて、自分を信じて、生きてほしい。さぁ、力いっぱい生きて!
必ず生きていける
お母さんの体に、道を作ったあなたへ。とつき育った住処から、この世界へと通じる道を作ったあなたへ、伝えたいことがあります。
道を拓くその力強さといったら、道を拓くその忍耐強さといったら。あなたが必死に道を進むなか、こちらのほうがくじけてしまいそうなほどでした。それはもうまるで、わたしの体であって、わたしの体ではないかのように、命の大きさに打ちのめされるような感覚です。わたしはただの通り道になったような気がしました。
あなたが生まれてきてから、一気に春めきました。水で溶いたようなやさしい空色に、ぽかぽか陽気。あなたの肌着が気持ちよさそうに、ゆらゆら風とダンスをしたり、真っ白な布おむつがまぶしそうに、きらきら陽の光を反射したりしている。この世界があなたを温かく迎えてくれている、と朗らかな気持ちになりました。あなたを呼ぶ風、あなたを呼ぶ陽射し、あなたを迎えてくれたこの世界のすべてが、母になった私の目には、美しく映りました。
あなたが伸びをした時の声や、うっとりとした寝息に、誘われるみたいにじいんとして、それで、それに呼応するかのようにあなたが起きて、吸い始めると、おっぱいの底から湧いてくるような愛おしさ、おなかの底から込みあげるような愛おしさでお母さんは包まれるのです。呼応するようなとき、やっぱりひとつだったんだなと感じます。あなたがおなかが空いたよと泣きだすのと、お母さんのおっぱいがじいんとするのがおなじときに。また、抱っこしているときも。抱っこしていると、どっちが抱っこをして、どっちが抱っこをされているのか、わからなくなるようなときに。あなたはとつきもわたしのおなかの中で過ごしたのだもの。抱っこしていると、おなかの中に戻ったような、お母さんの足りない部分が埋められていくような、まあるくなっていく感じがします。
もちろん、可愛いだけではなくて、赤ちゃんのお世話は、今が昼か夜かの区別もつかないほどに大変だったのは確かなのだけれどね。
ただあなたに、これだけは覚えていてほしい。お母さんにとってあなたは、たまらなく愛おしくて、かけがえのない存在だということを。いつでもあなたを抱きしめてきたし、これからもいつでも抱きしめてほしいときには抱きしめてあげることを。あなたが生まれるとき、天からの授かりものだということを、まさに体いっぱい実感したことを。あなたが生まれたとき、この世界がどんなに輝いて見えたかということを。あなたが育っていくなかで、この世界が平和でありますように、みんなが幸せでありますようにと願いたくなるほど、あなたのことを大切に思っていることを。いつでも笑っていてほしいと思っていることを。
そして、信じてほしい。道を切り拓いて生まれてきたあなただから、これからも力強く、忍耐強く、道を切り拓いて生きていけることを。自分自身のことを。あなたは、どんなに悲しいことがあっても乗り切れる力強さを、生まれながらに持っているし、どんなに辛いことがあっても乗り越えられる忍耐強さを、生まれながらに、持っていることを。必ず、生きていけることを。
好きなことは好きと叫んでいいし、嫌なことは嫌だときっぱりと否定していい。あなたの素敵なところはたっぷり自信を持っていいし、あなたの自分でいまいちだと思うところも、だからといって自分で自分を嫌いにならないでやさしく認めてあげてほしい。自分の心の声をよく聞いて、自分を信じて、生きてほしい。さぁ、力いっぱい生きて!
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