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「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

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西村奈々さん 086

あなた達が教えてくれた3つのこと    
妊娠前から、ママを見てくれていてありがとう。妊娠、出産、子育てを通して私を成長させてくれてありがとう。 
 

「ママが悲しそうにしていたから。」
私たちの元へ、やってきた理由をあなた達二人はそう教えてくれました。そう、私たちは哀しみに暮れていました。原因不明の不妊で2度の体外受精を経験したものの、2度とも着床しませんでした。ハワイで持ってる保険を二つとも使い果たし、後がない。そもそも私は2度の体外受精を経て、心身のダメージも大きく「3度目はない」と決めていましたので。
 私は5人兄弟の長女で、いつも周りには自分より小さい妹や弟がいました。愛する夫との間に子どもがいることは当たり前だと思っていたのに、当たり前が当たり前ではないと思い知らされる目の前の現実。3度目の体外受精はしないと夫に告げた時、これまで治療をずっと側で見てきて、時には私にホルモン注射を打って共に進めてきた彼は即答で
「そうだね。よく頑張った。もういいよ。」
と言ってくれました。それまで、ピンと張っていた気持ちの糸が切れて、残念な気持ち、悔しい気持ち、夫をパパにできすごめんねという気持ち、様々な気持ちが波のように押し寄せてきて、私は泣き崩れました。
「ママが悲しそうにしていたから。」私たちの不妊治療の行方を見てくれていたんでしょうね。
 どうしても、私と夫の間には子どもが欲しかったので、2度目の体外受精がうまく行かなかった後、養子を受け入れることも考えようと二人で話していました。そんな時に、長女を自然妊娠。信じられなくて妊娠検査薬の写真を撮ってドキドキしながら携帯に送ったことは今でも忘れられません。
 その後に、続けて長男も自然に授かりました。妊娠、出産、子育てで、あなた達二人が私に与えてくれたこと、三つあります。
 一つ。自分を信じること。不妊治療中は私は妊娠できないから、ドクターどうかお願いします。と自分が主人公になれていなかったんです。自分の人生、人任せではいけない、自分でできることをして妊娠するんだと決めたら妊娠しました。
 二つ。自分に向き合う時間を持つこと。妊娠する前から、出産は自宅で水中出産すると決めていた私。日本で産み綱に捕まりながら出産する女性の姿をテレビで観た時に、女性の力強さや、神がかった力に鳥肌が立ち、
「こんな力が私にもあるんだ。私にもできる!」
と根拠なき自信がみなぎったのです。ハワイで自宅出産のサポートをしてくれる助産師さんに出逢い、私の質問に対し、
「あなたはどうしたいの?」
常に問うてくださいました。その度に私は私の中に答えを探しにいく旅に出ました。これまで日本では、
「あなたは、どうしたいの?」
と問いかけられたことがなく、最初は戸惑ったものです。何度も、自分に問いかけていくうちに、私の中に確かにある答えに辿り着けるようになりました。そう、あなた達がお腹にきてくれたお陰で私が私に向き合う時間を与えてくれたのです。そうして自分たちで決めた出産は産後、揺るぎない自信となりました。病院出産がメインのハワイ。自宅出産を反対する声もありながら、夫と話し合い、勉強もして身体作りもして挑んだ自宅出産。信頼できる助産師さん、ドゥーラ、夫、あなた達の生まれてこようとする力のサポートを受けて私が産み出した命。子育てで行き詰まった時に立ち戻る原点となっています。
 三つ。惜しみない愛。目には見えない愛をたくさん与えてくれています。受け取った愛は循環すべく、私は産後ドゥーラとしてハワイのママ達や家族のサポートを始めました。
 あなた達が与えてくれたもの三つ。「自分を信じること」「自分に向き合う時間」「愛の循環」
 娘よ。あなたが出産することになったら、この三つを受け取れる出産であって欲しい。息子よ。愛する女性が出産する際は、あなたの父がしたように、この3つを受け取れる出産のサポートできる男性であって欲しい。これが母から二人へ伝えたい言葉。

 

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