2022.01.21
もしもの時の保障を確認!社会保険と国民健康保険の違いは?
全ての国民が、生まれたときから公的医療保険に加入します。これを「国民皆保険」といい、日本は健康保険制度がかなり充実している国なんです。
生まれたときから加入しているし、会社でも言われた通りに手続きすればいつの間にか加入しているため、当たり前に思ってしまいがちですが、皆さんの負担は、想像以上に軽減されているんです。
とはいえ、公的医療保険には、大きく分けると社会保険(健康保険とも言う)と国民健康保険があり違いもあるので、まとめて理解しておくとわかりやすいです。
社会保険と国民保険で共通のサービス
病院での支払いが、3割で済むのは皆さん知っていますよね。
しかし意外と認識されていないのが「高額療養費制度」です。
簡単に説明すると、所得によってその程度は違いますが「1ヵ月の間に大きな治療費がかかっても、ある一定の金額以上は返してもらえる」という制度です。これがあれば、民間の保険には入らなくてよいという考え方もできるほど、スゴイ制度なんですよ。
もし、保険がなかったら、と想像してみてください。大金を支払うことになるかもしれないので、病院にも行くのも恐る恐るになりますよね。
あなたが安心して「まずは病院に行ってみてもらおう」と思えるのは、当たり前のことではなく、こういった保険制度があるからなんですね
さらに、出産の時のお金も共通して保障されます。
出産時に支払われる「出産育児一時金」。
社会保険でも、国民健康保険でも、子ども1人につき42万円支給されます。
この保障がもし無かったら、子どもを産むのに躊躇したり、お金がないので産めない、なんてことすら起きるのかもしれません。
そう考えると、これらの保険は本当にありがたい保障なんです。
それでは、それぞれの保険を見ていきましょう。
社会保険とは?
対象
公務員や会社員などは社会保険に加入します。
契約社員、パートやアルバイトの人も、加入条件を満たせば、社会保険に加入することになります。
保障制度
社会保険だけにある、特別なルールがこれ。扶養している家族も、勤務先の社会保険に加入できることです。
しかも、なんと、無料!さらに扶養家族が増えても、支払う保険料は一切、増えないんです。驚きのルールですね。社会保険で扶養家族がいる方は、この制度の存在を理解しておくとお得感満載です。
保険料
保障を提供するのは、勤務先が所属する健康保険団体なので、保険料は、給与額に応じて勤務先が計算し、毎月の給料から引かれているんです。
けして低い金額ではないので、愚痴を言っている方もよくみますが、実は保険料の半分は勤務先が負担してくれているんですよ。
上記の「扶養者は無料」の件や、後述の「国民健康保険と比べていくつもメリットがある」ので、僕は、けして悪い話ではないと思うんですけどね…。
国民健康保険とは?
対象
個人事業主やフリーランス、農業や漁業、無職などの人は、国民健康保険に加入します。
つまり社会保険に加入していない人は、全員加入です。
保障制度
上記の通り、医療費に関しては、基本は3割負担だったり、高額になった場合にもかなり補填してくれるなど、社会保険の方と変わらないので安心ですが、いくつか他の保障がないので、もしものときのために何か他で対策が必要です。
例えば、怪我や病気で仕事を休んだときに給料の一部をもらえる傷病手当や、出産で仕事を休んだときに給料の一部がもらえる出産手当に関しては、社会保険の独自の制度のため、国民健康保険の人はありません。
社会保険と比べると、保障は薄いということになります。
保険料
前年度の所得に応じて計算されます。保険者は各自治体なので、自治体によって多少金額が違うんですよ。
保険料は全額自分で払う必要があり、扶養という考え方がないので、家族が増えると、保険料も増えます。
そのため、支払う保険料の負担が大きくなる傾向があります。
今回は社会保険と国民健康保険について紹介しました。 社会保険の方が、会社に半分負担してもらっている分、サービスが良いと考えてもよいかもしれません。それなりの違いはあると言えます。でもそれ以前に、共通する保障だけでも、日本国民の医療格差が大きくならない工夫のされている、素晴らしい制度です。
さらには社会保険と国民健康保険のおかげで、一部を除いて民間の保険は必要ない方も多い、僕は考えているので、気になる方はご相談くださいね。
自分の加入している保険の保障を、確認しておきましょうね!