暑さを乗り切る栄養学② | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2019.07.25

暑さを乗り切る栄養学②


科学的栄養学No.64

暑さを乗り切る栄養学②



◇夏に不足しやすい栄養素(1)

夏を快適に過ごすには、たんぱく質、脂質、炭水化物の3大栄養素に加え、ミネラル類やビタミン類を取り入れた「バランスのよい食事」を、朝昼夕の3食「規則正しくとること」が基本です。

 また、暑くなると、食欲不振や汗をたくさんかくなどの理由から、からだに必要な栄養素が不足しがちです。夏場に不足しがちな栄養素とそれらの役割について解説します。
 自分の食生活を見直して、不足しがちなものを意識してとるようにしましょう。

まずは、肉や魚、大豆などに含まれるたんぱく質です。

たんぱく質が不足すると代謝が衰えたり、疲れやすくなります。
 たんぱく質は、私たちの骨や筋肉、臓器など、あらゆる組織の材料となるものです。
また、代謝や消化などに必要な酵素、ホルモンや神経伝達物質もたんぱく質からできています。

 そうめんやうどんなど糖質中心の食生活になったり、食事をおろそかにして、甘いものばかりを食べたりしていると、たんぱく質が不足しがちになります。

 たんぱく質が不足すると体内の代謝や消化が衰えたり、疲れやすくなったりするため、夏バテしやすくなります。暑さなどで体力を消耗しやすい夏だからこそ、たんぱく質を含むメニューを食事に取り入れましょう。

たんぱく質の多い食品(100g当たり)
●肉類…牛もも肉 21.3g、豚ロース肉 22.7g、鶏ささみ 23.0g など
●魚類…まぐろの赤身 26.4g、かつお 25.8g、うなぎのかば焼き 23.0g など
●豆類…豆腐(木綿) 6.6g、油揚げ(生) 23.4g、納豆16.5g など
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より

次にからだの調整役として欠かせない栄養素として野菜・果物・魚介類などに含まれるビタミンです。 
ビタミンにはA、B、C、D……と、さまざまな種類がありますが、その多くは体内でつくり出すことができないので、食事からとる必要があります。

 糖質ばかり、あるいは肉ばかりの食生活がつづいている人は、ビタミン類が不足しがちなので要注意です。

 ビタミン類は、からだのさまざまな機能を調整しています。たとえば、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進して骨を強くする、ビタミンB群はエネルギー代謝に必要など、からだの調整役として、重要な働きをしています。
また、ビタミンA・C・Eには、抗酸化作用があり、夏の紫外線によって体内で発生する有害な活性酸素から、からだを守る働きがあります。

ビタミン類の多い食品

●ビタミン C…新鮮な野菜や果物に多い
●ビタミン A・E…緑黄色野菜や魚介類などに多い
●ビタミン B群…豆類や魚介類などに多い



 
つづく

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