暑さを乗り切る栄養学① | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

「脳科学的栄養学」をベースによりよく生きるための健康づくりに貢献します

薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2019.07.18

暑さを乗り切る栄養学①


科学的栄養学 No.63

暑さを乗り切る栄養学①



猛間もなく梅雨があけ、猛暑の夏がやってきます。
猛暑のなか夏バテや夏かぜなど、夏に多い健康トラブルは、食事からとる栄養のかたよりが原因の一つです。

そこで、暑さに負けない食事と生活のヒントを5回シリーズで紹介していきます。


◇食欲が衰える夏だからこそきちんと栄養をとろう

疲れやすい、からだがだるい、夏かぜをひいてしまう──夏はこうしたさまざまな健康上のトラブルに悩まされることが多くなります。

 これらの不調を「夏だからしょうがない」と思っているとしたら、それは間違いです。こうした不調は、食生活のかたよりからおこっていたり、助長されたりしていることも少なくないからです。

 たとえば、暑くて食欲がないからと、そうめんなどの簡単なものですませることがつづくと、たんぱく質やビタミン・ミネラル類が不足してしまいます。

かたよった食生活は、夏バテの引き金や悪化の要因となります。放置すると、免疫力が低下して、夏かぜをはじめとしたからだの不調を招きやすくなるので要注意です。

かたよった食生活をつづけていると、夏バテを招いて食欲がなくなり、さらに栄養バランスが悪くなって体力が低下する「夏バテのスパイラル」に陥ります。食事を見直し、できることから改善して、夏バテを予防・解消しましょう。

夏バテを招きやすい食生活は4つのタイプに分けられます。

あなたに当てはまるタイプはありますか?

タイプ1:スタミナ食タイプ
暑さに負けない体力をつけようとして、焼き肉やステーキなどの肉食ばかりの食生活になっていませんか。

肉に含まれるたんぱく質も重要な栄養素ですが、野菜などに含まれるビタミン・ミネラル類が不足すると、夏バテを招きます。

タイプ2:あっさり食タイプ
あっさりして喉ごしのよい、冷たいそうめん、そば、うどんばかりの食生活になっていませんか。
たんぱく質やビタミン類が不足するほか、冷たいものばかりを食べていると、胃腸の働きが低下することも。

タイプ3:糖質もりもりタイプ
エネルギー不足にならないように、大盛りごはんなど糖質を中心に、おなかがいっぱいになるまで食べていませんか。
糖質はからだのエネルギー源ですが、とりすぎは肥満のもと。夏は基礎代謝が下がるため、冬より太りやすいというデータも。

タイプ4:スイーツがごはんの代わりのタイプ
食事の代わりに、アイスやかき氷、冷たい飲みものなど、甘いものをたくさん食べたり、飲んだりしていませんか。
暑さと食欲不振から、甘いものに手が伸びがちですが、高血糖を招いたり、栄養バランスがくずれて夏バテの原因に。
ここ数年、注目を集めている糖質制限ダイエット。

糖質を含むごはんやパン、めん類などを控えることで、血糖値の上昇を抑え、余分な体脂肪を燃焼させて体重を落とします。

 しかし、糖質はエネルギー源としてからだに必要不可欠なもの。
極端に糖質が不足すると、体力が低下して夏バテしやすくなったり、筋肉量の低下を招く恐れも指摘されています。

 体重が気になる人は、飲みものは無糖に、スイーツは控える、ごはんを半量にするなど、「糖質は控えめに」程度がよいでしょう。
 
つづく

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してぐるっとママ横浜は一切の責任を負いません