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「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

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miccoさん 081

桜満開の日、おばあちゃんと引き換えに産まれた子    
コロナ禍、臨月までの悪阻、立会面会禁止の孤独な出産、祖母との別れ。赤ちゃんが全ての辛さを忘れさせてくれました。
  
 

生後すぐ、あなたの小さな小さな身体が私の上に乗ったとき、安心感で涙が止まりませんでした。

2020年、結婚のタイミングで得体のしれないコロナウイルスが流行しました。結婚式を辞める人が続出するなか、私達はタイミングを見計らい無事に結婚式を挙げることができました。どうしても早く挙げたかった理由は、シングルマザーの母と一緒に父親代わりに育ててくれた90代の祖母の体調が衰えてきていたからでした。祖母はコロナ禍にも関わらず100人近くの来客がいるなか車椅子で参加をしてくれました。

そこからすぐ妊娠が発覚しました。初期から臨月まで重たい悪阻が続き、初めての出産に対する不安と先が見えないコロナ禍の絶望感に毎日押しつぶされそうな日々でした。後期に入り予定日まで実家で生活を送りました。祖母は体調が悪くしばらく入院生活を送っていましたが先が長くないとの判断で実家に戻りました。臨月の頃はほぼ会話ができない状況でしたが一緒に生活を送りました。予定日が近づき3月に入ると、毎朝私の大きいお腹に手をあて笑顔で「いつうまれるの」と微かな声で話かけていました。おばあちゃんに会わせたい、抱っこしてほしいから早く産まれて!毎日そう願っていました。しかし祈りは届かず、赤ちゃんが生まれる16日程前に祖母は亡くなりました。なかなか産まれてこなかったところ、予定日を5日過ぎた日にようやく陣痛がきました。当時は立ち会いや面会が禁止のなか孤独で22時間の陣痛に耐え、ようやく赤ちゃんに出会えました。 

カンガルーケアですぐに赤ちゃんが私の胸の中に。小さくて小さくてかわいい。振り返ると妊婦期間は暗く先の見えないトンネルを長い間通ってきたように感じていました。しかし、全てを一緒に乗り越えてきてくれた赤ちゃん。ずっと私の味方でいる気がしてその辛さを全て取り払ってくれました。どんなに辛かった悪阻も、予期せぬおばあちゃんとのお別れも、コロナ禍の孤独な出産も、これからはこの子と毎日一緒だという安心感から全てが開放され涙がボロボロ止まりませんでした。入院中、窓からは満開の桜が。なんだかおばあちゃんが祝福してくれているように思えました。すやすや眠る赤ちゃんをみて、何度も産まれてきてくれてありがとう、これから何があっても私はあなたを守ります、と泣きながら感謝をしました。この思いは、この先どんなに育児が大変であっても忘れてはいけないし時々思い出して息子に感謝を送りたいと思います。

現在、息子は1歳半になり仏様にお線香をささげたり手を合わせることが上手にできるようになりました。ひいおばあちゃんとは直接会えなかったけど、必ずお空から笑顔で見守ってくれていると思います。

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