あすさん 078
家族の歴史
ここにいてくれてありがとう
「のう腫」があります。
当時22歳の私が健診で言われた言葉。全身が凍りつき、お先真っ暗、私の人生どうなるんだろう...不安でいっぱいだったこと、今でも覚えています。
あれから8年。今、私は2人のこどもを授かり、毎日幸せな日々を過ごしています。そんな私がこどもたちに伝えたい言葉はただ一つ、「ここにいてくれてありがとう」。
私のお腹にこどもが来てくれるかどうか悩んだ日々、新型コロナウイルスが流行し、お腹の中で元気でいてくれることを願った日々、育児しながらの妊娠で必死だった日々、そんな毎日を思い出すと、2人が今元気に産まれてきてくれたこと、今私の目の前にいてくれることは奇跡でしかない。
遡ること8年前、私の健診で見つかったのう腫は、卵巣のう腫であり、現在は手術をして完治している。
しかし、当たり前のようにお母さんになれると思っていた私にとっては、健診当時「え？私、余命◯年なの？」「そんなところにのう腫があって赤ちゃんを産めるの？」と思ったことを今でも鮮明に覚えている。帰り道では、スマートフォンで調べることもできず、ひたすらぼーっとしていた。
紹介状をもとに、大きな病院に行くと女性に多いことが分かり、少し不安は取り除かれた。結局、手術で取り出すことができたが、お腹を傷つけ、麻酔が終わった後は痛すぎて、もう二度と手術をしたくないと思った。そして、術後お医者さんに質問があるか聞かれ、私は「赤ちゃんを産めますか？」それだけ聞いた。
産めると言われたものの、自分の卵巣には傷がついている、もし授かれなかったらどうしよう、その不安でいっぱいだった。当時彼氏だった今の夫には、すべての事情を話し、術後のお見舞いにも来てくれて、子どもができないかもしれない不安も話した。
それでも、そんな私のありのままを受け入れて結婚してくれたこと、心から感謝している。私たち家族の歴史はここからつながっているのだ。
そして、結婚式を終え、いざこどもを授かりたいと思った時に流行した新型コロナウイルス。緊急事態宣言も出されている。でも、お母さんになりたい。そんな中、私のお腹にきてくれたのが、現在2歳の娘だ。嬉しくて嬉しくて仕方ない反面、この子を守り切れるのか不安でいっぱいだった。しかし、娘はお腹の中から親孝行だった。私は一度も体調を崩すことなく、仕事もフルで最後までやりきり、産休へ。
そして、娘は逆子が治らず予定帝王切開となった。私の心境は、「楽しみ」「早く会えて嬉しい」とポジティブなことだらけ。実は、陣痛や出産がとても怖かった。私にとって、お腹を切る手術はすでに経験していたので、むしろ、お腹を切って大好きな我が子に会えるなんて嬉しいとしか思わなかったのだ。ああ、あのとき手術を頑張った姿をきっと娘は見ていたのだなぁと思った。人生に起こることには意味がある、と聞いたことがあるが私が手術をしたことはここにつながっていたのだ。
そして、その後無事に息子を妊娠。しかし、この妊娠中も不安が多かった。妊娠中も10ｋｇの娘を抱っこするのは当たり前。安静にもできない。元気でいてほしい、妊婦健診のたびに思い、毎日必死で守りながら無事出産でき、元気で産まれてきてくれたことに安心して涙が止まらなかった。
辛い手術経験があったからこそ、出産の手術は痛みはあっても幸せがつまったものだった。
今、2人を家庭保育で見ている。下の子の授乳をしながら、上の子の遊び相手をする、下の子の夜間授乳で寝不足の中、上の子と外へ行く、そんな日々で正直余裕がなくなることもたくさんある。
けれど、そんなときは不安だった日々を思い出したい。この子たちが元気にここにいることは、奇跡の連続。今、ここにいてくれてありがとう、そんな想いを大切にして、今しかない瞬間を一緒にかみしめていきたい。
そして、私がお母さんになれたのは、あのとき夫がありのままの私を受け入れてくれたからだ。その歴史がなければ、大切な我が子たちには会えなかった。
大変なことはあるが、今ここにいてくれることが価値である。子供達にも、そんなあのままを受け入れる大切さを私が日々「ここにいてくれてありがとう」と伝えることで届けていきたい。
「ここにいてくれてありがとう」の心のバトンをこれからもつないでいく。
ここにいてくれてありがとう
「のう腫」があります。
当時22歳の私が健診で言われた言葉。全身が凍りつき、お先真っ暗、私の人生どうなるんだろう...不安でいっぱいだったこと、今でも覚えています。
あれから8年。今、私は2人のこどもを授かり、毎日幸せな日々を過ごしています。そんな私がこどもたちに伝えたい言葉はただ一つ、「ここにいてくれてありがとう」。
私のお腹にこどもが来てくれるかどうか悩んだ日々、新型コロナウイルスが流行し、お腹の中で元気でいてくれることを願った日々、育児しながらの妊娠で必死だった日々、そんな毎日を思い出すと、2人が今元気に産まれてきてくれたこと、今私の目の前にいてくれることは奇跡でしかない。
遡ること8年前、私の健診で見つかったのう腫は、卵巣のう腫であり、現在は手術をして完治している。
しかし、当たり前のようにお母さんになれると思っていた私にとっては、健診当時「え？私、余命◯年なの？」「そんなところにのう腫があって赤ちゃんを産めるの？」と思ったことを今でも鮮明に覚えている。帰り道では、スマートフォンで調べることもできず、ひたすらぼーっとしていた。
紹介状をもとに、大きな病院に行くと女性に多いことが分かり、少し不安は取り除かれた。結局、手術で取り出すことができたが、お腹を傷つけ、麻酔が終わった後は痛すぎて、もう二度と手術をしたくないと思った。そして、術後お医者さんに質問があるか聞かれ、私は「赤ちゃんを産めますか？」それだけ聞いた。
産めると言われたものの、自分の卵巣には傷がついている、もし授かれなかったらどうしよう、その不安でいっぱいだった。当時彼氏だった今の夫には、すべての事情を話し、術後のお見舞いにも来てくれて、子どもができないかもしれない不安も話した。
それでも、そんな私のありのままを受け入れて結婚してくれたこと、心から感謝している。私たち家族の歴史はここからつながっているのだ。
そして、結婚式を終え、いざこどもを授かりたいと思った時に流行した新型コロナウイルス。緊急事態宣言も出されている。でも、お母さんになりたい。そんな中、私のお腹にきてくれたのが、現在2歳の娘だ。嬉しくて嬉しくて仕方ない反面、この子を守り切れるのか不安でいっぱいだった。しかし、娘はお腹の中から親孝行だった。私は一度も体調を崩すことなく、仕事もフルで最後までやりきり、産休へ。
そして、娘は逆子が治らず予定帝王切開となった。私の心境は、「楽しみ」「早く会えて嬉しい」とポジティブなことだらけ。実は、陣痛や出産がとても怖かった。私にとって、お腹を切る手術はすでに経験していたので、むしろ、お腹を切って大好きな我が子に会えるなんて嬉しいとしか思わなかったのだ。ああ、あのとき手術を頑張った姿をきっと娘は見ていたのだなぁと思った。人生に起こることには意味がある、と聞いたことがあるが私が手術をしたことはここにつながっていたのだ。
そして、その後無事に息子を妊娠。しかし、この妊娠中も不安が多かった。妊娠中も10ｋｇの娘を抱っこするのは当たり前。安静にもできない。元気でいてほしい、妊婦健診のたびに思い、毎日必死で守りながら無事出産でき、元気で産まれてきてくれたことに安心して涙が止まらなかった。
辛い手術経験があったからこそ、出産の手術は痛みはあっても幸せがつまったものだった。
今、2人を家庭保育で見ている。下の子の授乳をしながら、上の子の遊び相手をする、下の子の夜間授乳で寝不足の中、上の子と外へ行く、そんな日々で正直余裕がなくなることもたくさんある。
けれど、そんなときは不安だった日々を思い出したい。この子たちが元気にここにいることは、奇跡の連続。今、ここにいてくれてありがとう、そんな想いを大切にして、今しかない瞬間を一緒にかみしめていきたい。
そして、私がお母さんになれたのは、あのとき夫がありのままの私を受け入れてくれたからだ。その歴史がなければ、大切な我が子たちには会えなかった。
大変なことはあるが、今ここにいてくれることが価値である。子供達にも、そんなあのままを受け入れる大切さを私が日々「ここにいてくれてありがとう」と伝えることで届けていきたい。
「ここにいてくれてありがとう」の心のバトンをこれからもつないでいく。
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