2019.10.18
悪玉コレステロール値が高いのは、お酒を飲み過ぎたから?
脳科学的栄養学No.76
◇悪玉コレステロール値が高いのは、お酒を飲み過ぎたから?
会社勤めを続けている限り、避けては通れない職場の健康診断があります。
自覚症状のない病気を見つけてくれるのは有難いが、仕事に追われるなかで
再検査を受けるのはできれば避けたいのが人情。
異常値を指摘されたとしても、どこまで生活を見直せばよいのか、今ひとつ釈然としない人も多いのでは。
各種検査への臨み方や結果の見方、検査後の対応など、誤解交じりで語られやすい健診結果について
今回はコレステロール値について簡単に解説します。
Q 悪玉コレステロール値が高いのは、
お酒を飲み過ぎたからでしょうか?
A いいえ。肉の脂身などの食べ過ぎが原因です。
お酒の飲み過ぎでは中性脂肪値が上がります。
「悪玉コレステロール」「善玉コレステロール」という呼び方がすっかりお馴染みになったが
その正式名称をご存じですか。
健診の検査項目では、脂質代謝検査の「LDLコレステロール」が悪玉、「HDLコレステロール」が善玉に当たります。
脂質代謝検査は、動脈硬化につながる脂質異常症を見つけるために行うもので、LDLとHDLの比
すなわちLDL/HDLコレステロールのほかに、中性脂肪の値も見るのが基本。
コレステロールや中性脂肪は脂質で水に溶けないため、水になじみやすいたんぱく質と結合し
「リポたんぱく」という粒子の形で血液中を流れています。
脂質代謝検査では、血液検査でリポたんぱくに含まれるコレステロールや中性脂肪の量を調べるのです。
それぞれの値が1つでも以下の基準を超えると、脂質異常症が疑われます。
それぞれの目安
総コレステロール 130~219
中性脂肪 30~149
HDLコレステロール 40~99
LDLコレステロール 60~119
LDL/HDL (LDLコレステロール値が正常であっても、HDLコレステロール値が低いと
心筋梗塞を起こす例が多いため、予防には両方のバランスを示す数値)
2.5以上だと動脈硬化や血栓のリスクが高いため、「ほかの病気がない場合は2.0以下に」
「高血圧や糖尿病がある場合、あるいは心筋梗塞などの病歴がある場合には1.5以下に」を目安
また、コレステロールと中性脂肪がどんなものかを確認しておきましょう。
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁などの材料になり、中性脂肪は体のエネルギー源になるもので
いずれも欠かせないもの。
コレステロールも中性脂肪も、体内で合成されるものと、食べ物から取り入れられるものがあります。