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「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

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りーちゃんママさん 097

少し早く産まれたあなたへ
ママとパパと少しでも長く生きられる人生を選んで、産まれてきてくれてありがとう。


 
4月26日午前3時、予定日より3週間も早くあなたは産まれました。あなたが産まれた日の事を今でも鮮明に覚えています。
前日の朝から時々動けなくなる腰の痛みがあり、「もう直ぐ産まれるのかな」なんてパパと2人で話していました。パパが仕事に行ってから、あなたのベビーベッドの支度や入院に必要なものを準備して1日を過ごし、「もういつ産まれても大丈夫だよ」なんて冗談でパパと寝る前にお腹の中のあなたに話しかけていました。その数時間後の夜中1時ぐらいに破水をして、パパと一緒に病院へ向かいました。
病院では立ち会いができなかったので、パパには受付まで付き添ってもらい、出産は命懸けって聞いていたから、ちゃんとお別れしたかったけれど、痛みでそれどころではなく「じゃあ」と手を挙げて見送りました。助産師さんからは「早ければ今日の朝ぐらいで、遅くとも明日には産まれるかな」と言われたので、まだ会うのは先かなと思っていました。
病室で入院着に着替え、モニターをつけ、出産への準備が着々と進み始めた頃、急に今までと違う痛みに襲われ、足がガタガタ震えました。その頃コロナの検査をしていて、助産師さんから「どっちの鼻にする?PCR検査と抗原検査で鼻変える?」って聞かれたけれど「もう好きにしてください」という声も出せないぐらいの痛みでした。
病院について30分ぐらい経った頃、子宮口を確認したら、「もう頭が見えてるね。全開だから急いで分娩室に移動しよう」と言われて車椅子に乗せられ急いで分娩室へ向かいました。分娩室では「コロナの結果がまだ出てないから、今産まれてしまうとすぐには抱っこができない」と伝えられました。いきんでいる間は、あなたの心拍を測るモニターもアラームが鳴っていて、「頑張っているのは私だけではないんだ。あなたも必死に産まれようと頑張っているんだ。立ち会いはないけれど1人じゃない」そう思えました。4回ほどいきんだ頃、あなたは元気な産声をあげて誕生してくれました。すぐには抱けませんでしたが、あなたが元気に産まれてくれさえすればそんなことは関係ありませんでした。
しばらく経って、可愛いくまさんの服にピンクの帽子を被せられたあなたを助産師さんが連れてきてくれました。小さな体、ふわふわの髪、小さなしわしわの手、パパに似た長い指に綺麗な爪、足の形、そのどれもが愛おしくてたまりませんでした。
次に会えたのは翌日の授乳の時間でした。あなたはみんなより少し早く産まれたから、沢山の管に繋がれて、手には注射の跡もありました。そんな姿を見て、私のせいでそんな小さな体に痛い思いをさせてごめんねと心が痛みました。あなたはそんな私の気持ちを汲み取ったのか、周りの子より一回りも小さな体で母乳を誰よりも飲み助産師さんを驚かせていましたね。「私は強い子だから。こんな事ぐらい大丈夫。」と言われているようでした。病院の先生からは「一緒に退院するのは難しいかもしれないし、同室も叶わないかもしれない」と言われていましたが、あなたは母乳をよく飲むので、同室で一緒に過ごし、一緒に帰ることができました。本当によく頑張りました。ママはあなたを頼もしく思います。
退院してからもあなたはすくすく成長し、平均以下だった出生体重も1ヶ月検診を迎える頃には平均値になっていて、沢山の先生方に褒められていましたね。本当に頑張り屋さんな子でママはいつも驚かされます。
あなたが早く産まれた事でママもパパも家族みんなが不安に思ったり、心配になったりする事もあったけれど、あなたも同じぐらいみんなより早く産まれた事で淋しい思いや不安な思いがあったと思います。でもね、これから先もどんな事があってもママもパパもあなたの全てを受け入れるし、あなたを心から愛しています。すこしでも長くあなたと生きられる人生をくれた神様に感謝しています。ママとパパの元に産まれてきてくれて、この日を選んでくれて心からありがとう。

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