果物は動脈硬化の予防になる? | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

「脳科学的栄養学」をベースによりよく生きるための健康づくりに貢献します

薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.06.18

果物は動脈硬化の予防になる?



科学的栄養学 No.110

◇果物は動脈硬化の予防になる?

 

果物というと糖分が多くて、太りそう、といったイメージを持つ人がいます。

でも一方では、果物には美しくなれるとか、健康に良いなどの健康効果もあげられます。

 

例えば、高血圧予防のための生活習慣の改善に「野菜・果物を多く取る」ことの重要性が指摘されてもいます。

で今回は、果物の摂取は動脈硬化性疾患の予防になるというのは、ホントか ウソかにつて考えてみましょう。

 

さて、みなさんはどう考えますか

 

(1)ホント

(2)ウソ

 

 

実は近年、果物は糖分が多いから、食べると太りそう、皮をむくのが面倒、高価だから、などのイメージから生鮮果実の摂取量は減り続けているのです。

 

 しかし、実は果物は、疾患の予防に重要な食品なのです。
 

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」よれば、動脈硬化性疾患の予防のうえで重要であるとの評価です。

 

 国立循環器病研究センター予防健診部医長の小久保喜弘さんは、「以前のガイドラインでも果物は推奨されていましたが、2017年版では、疾患予防との関連がきちんと記述されるようになり、果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性があり、果物の中でも糖質含有量の少ないものを適度に摂取することが勧められる、と明記された」と述べています。

 

 実は「高血圧治療ガイドライン」においても、前々から野菜や果物をしっかりとることが明記されていました。

 

高血圧予防のための生活習慣改善ポイントは、「野菜・果物を多く摂取」のほかに、6つの項目があります。

 

一方、動脈硬化性疾患予防ガイドラインの生活習慣改善ポイントは、このほかに「食物繊維を多く摂取」と「大豆製品を多く摂取」が加わっています。

 

ただし果物100%ジュースでは血糖値が上昇するので注意異

 

実は果物をとると体重増加や血糖値上昇を招きやすいというのは間違いです。
 

果物と砂糖ではそもそも代謝メカニズムが違うのです。
 

また、果物が肥満の原因になることを裏付ける科学的根拠は示されていないのです。

 

だから大丈夫ということにはなりませんが、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅いのは事実です。

 

また、果糖の一部は肝臓で代謝されるので、ブドウ糖に比べると血糖値の上昇は緩やかになります。

 

ただし、果物を果汁やジュースで大量にとれば、血糖値や中性脂肪を上げることになるのは事実ですので注意が必要です。

 

一般に市販の100%フルーツジュースは健康に良いと思い込んでいる方が多くいるようですが、摂取が早いので血糖値が上がりやすく、製造過程の濃縮還元で抗酸化ビタミンやミネラル、食物繊維がかなり失われてしまいます。

 

ですから、丸ごと摂取することに比べると体に果物摂取の良い効果は当然少なくなります。

 

 自宅で果物から作るスムージーなら、ビタミンもあまり壊れず、食物繊維などが残るので、まだ良いかもしれません。

 

但し血糖値は上がりやすいので、果物をなるべく丸ごと食べるほうが病気の予防には、より効果的だと考えれます。

 

 

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してぐるっとママ横浜は一切の責任を負いません