風邪を予防する食事5か条 | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.01.30

風邪を予防する食事5か条


科学的栄養学No.89
 

風邪を予防する食事5か条

風邪やインフルエンザについての流行時期や感染経路などがニュースになっています。

さらに新型コロナウィルスによる肺炎の拡大が危惧されています。

 

私たちが食生活への意識をもつことで、これらに対するある程度の予防効果として期待できますし体調管理にもつながります。
 

そこで、基本的な風邪を予防するための5つのポイントをまとめました。

 

1)喉などの粘膜を保護するためにビタミンAを摂取する

ビタミンAは、体内で免疫機能、視覚、生殖、細胞情報伝達に関与している栄養素です。皮膚や粘膜の保護、健康を維持する働きがあるためウイルスや菌の予防に対しても効果があると考えられています。
 

ビタミンAは2種類あり、肉や魚、乳製品、卵などに含まれるレチノールなどの既成ビタミンAと、野菜や果物などに含まれるβ−カロテンなどのプロビタミンAカロテノイドがあります。
 

多く含まれる食品として、牛乳やチーズなどの乳製品、緑黄色野菜(色の濃い野菜:ニンジン、パセリ、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、水菜など)があります。

脂溶性ビタミンなので、「油で炒める」、「ドレッシングをかける」「肉や魚と一緒に食べる」ことで効率的な吸収が期待できます。

 

2)免疫を高めるためにビタミンDを摂取する

ビタミンDは、骨を丈夫にする働き、免疫機能を調整する働きがありウイルスや菌などに対して予防効果が期待されています。
 

ビタミンDは、サケ、イワシ、サバなどの魚類、キクラゲ、干し椎茸などのキノコ類に多く含まれます。なかでも、イワシ缶やサバ缶は手軽にとれる食品です。

また、キクラゲや干し椎茸を意識して料理に加えるのも良いでしょう。

 

ビタミンDは、太陽光に含まれる紫外線を浴びることで、皮膚で生合成されるビタミンです。

しかし、最近では、日焼け止めクリーム、UVカットガラスの普及に伴い30歳以上の約半数がビタミンD不足の状態であるという報告もあります。また、冬場は日照時間も少なくなるため、食べ物からのビタミンD摂取を意識することが大切です。

 

3)果物や葉物野菜からビタミンCを摂取する

ビタミンCは、コラーゲンの生成、抗酸化作用、栄養素の吸収など様々な働きがあるため免疫力を高め、風邪予防に対しても効果が期待されます。ただし、一度に大量摂取しても尿へ排泄されてしまいます。こまめに摂取しましょう。
 

ビタミンCは、レモンやオレンジ、みかんなどの果物からの摂取が一般的ですが、実は野菜に多く含まれ赤ピーマン、かいわれ大根、カリフラワー、ミニトマト、キャベツなどに豊富に含まれます。
 

熱に弱く、水溶性ビタミンのため、生での摂取が効率的です。ただし、オレンジジュースなどの大量摂取はビタミンCよりも糖の摂取過多が懸念されるので、野菜からのビタミンC摂取をすすめすると良いでしょう。

 

4)のど飴や温かい飲み物で口の乾燥を予防する

冬は、室内、野外ともに乾燥していることがほとんどです。乾燥により粘膜が乾燥するとウイルスや菌が侵入しやすくなるため、口腔内の保湿が重要です。

口の中にのど飴などを入れておくと、唾液が出て乾燥予防になります。


温かい飲み物は、水分補給によりカラダ全体の乾燥を予防するだけではなく
カラダを直接温め、胃腸の動きを活性化し、代謝を高める働きが期待できます。

 

5)肉や魚などのタンパク質を摂取して体力を増強する

免疫力を高めるためには、体力の増強が大切です。肉や魚をはじめとする動物性タンパク質は筋肉になりやすく、日常的に意識して摂取することが大切です。
大豆製品などの植物性タンパク質は脂質が少なく、食欲がないときにも摂取しやすい良質なタンパク源です。

 

しっかりと噛んで食べることは、胃腸への負担を減らし、消化の助けになります。

また、噛むことは副交感神経を刺激します。副交感神経が優位になると、リンパ球が増え、免疫力の強化も期待できます。

 

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